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クルーズ旅行体験記
 
 

コスタセレーナ号で行くスエズ運河・アラビアクルーズ



スエズ運河

地中海からスエズ運河、紅海を経てアラビアのドバイに至るコースをコスタ・セレーナ号による3週間のクルーズで楽しんだ。
2千人を超す乗客のうち、日本人は私達だけだった。コースのうち、ナポリ、カターニアの紀行は他の紀行にもありそうなので省略する。


北イタリアのサボナを出港するとすぐ、寄港地の変更が知らされた。治安情勢悪化のため、エジプトの3都市への寄港が中止、代わりにシシリアのカターニアとイスラエルのエイラートに寄るという。

シシリアを後にした船は二日二晩で東地中海を横断した。抜港のはずだったポートサイドでは舳先を岸壁につけ、急病人とその家族を下ろしたが、すぐUターンして港外へ出た。船はしばらく沖合で停泊した後、夜半に動き出しスエズ運河のバイパスに入ったようだが、暗闇の向うに岸壁のようなものが見えるだけだった。  


翌朝甲板に飛び出すと、両岸には長い堤防が一直線に続き、東側は岩礫の荒れ地だが、西側にはナツメヤシに囲まれた集落やモスクが朝日を浴びている。あこがれのスエズ運河だ。幅は二百メートルほどだろうか。時間によって一方通行になっているらしく、前後には小さな船が等間隔で南に向かっている。眺めること約1時間で突然、川幅が大きく広がった。右手に見える街はスエズ市のようだから、これで運河は終わりだ。

ぺトラ遺跡

船は6日目の朝、ヨルダンのアカバに着いた。見どころは港から約150キロのぺトラ遺跡だ。タクシー代は往復120ドルで交渉成立。片側2車線の立派な道があり、岩礫地帯を飛ばして行く。この遺跡は約2千年前、キャラバンルートに発達した街の跡で、赤茶けた岩に穿たれたシークといわれる暗い峡谷を通り過ぎて行くと、突然巨大な神殿のようなレリーフが現れるところがウリだ。右手に向かうと盆地状の平坦地になり、数々の柱列や神殿、墳墓、円形劇場、床にモザイク画が残るビザンティン寺院など数々の遺跡がある。

エイラート

アカバへ戻る坂道からは、明日訪問するエイラートの街が良く見えた。距離はせいぜい二、三キロだが、船はその港に直行するのではなく、二つの街の灯からかなり遠ざかってからUターンし、夜半にエイラートに着いた。この街は、アカバとは打って変わって賑やかで、リゾートホテルやマンションなどの高層ビルが林立している。浜はあまりなく、すぐに汀になる。細長い湾の奥の奥だから波はないが水は澄んでいてまるで湖のようだ。

サラーラの海岸

次の寄港地はサファガ。船を降りるとマイクロバスが客を集めていたので乗って見た。着いたところはリゾートビーチで、シェラトン、ケンピンスキーなどの大きなホテルがあった。紅海に面して波静かで、周りは全て砂漠で陸の孤島だから、水はきれいだし警備もしやすいのだろう。昨日に続いて海水浴抜きのリゾート三昧になったが、帰船後街を訪ねた人達の話を聞くと、小さなモスク以外行くところもなかった由。マイクロバスに乗ったのは結果オーライだったようだ。

サファガを出港すると4日間、at seaの日が続く。バブデルマンデブ海峡を通過し、インド洋に入ると、海賊出没水域になる。「海賊船が出たら、船室に閉じこもり、窓際には近づかないように」という船内アナウンスがあったが、聴いていた人達は、そうなったら船室にいた人達までカメラやビデオをもって甲板に飛び出して来るといって大笑いになった。 アラビア半島ではオマーンの2都市とUAE(アラブ首長国連邦)の3都市に寄港する。オマーンは豊かな富を公共施設の整備や教育に充てているため、アラブの産油国の中では最も現代的な文明国になっている。サラーラでのお目当ては乳香。これはある種の木の樹脂だが、キリストの生誕に際し、東方の3博士が祝いの品として献上した品の一つで、昔は相当な貴重品だったようだ。それがここのスークでは一袋3~10ユーロ程度で売られており、炭火の上で焼くと芳香が漂う。

マスカットの海辺の道

首都マスカットでは、まずグランドモスクを訪ねた。後に訪れるアブダビのモスクと競い合っているようで、豊富な水と緑に囲まれた白い大理石の庭が贅沢な空間になっている。中へ入ると、広い床は1枚織りの絨毯が敷き詰められ、天井には大シャンデリアが輝き、壁はステンドグラスや繊細なアラベスクの彫刻で飾られている。異教徒にも参観が許され、実際、礼拝に来る人より、観光客の方が多い。

フジャイラのモスク

オールドマスカットに戻る。この国をより魅力的にしていることは、高層建築物がなく、アラビアンナイトの昔を偲ばせる真白な家々の佇まいだが、頂に城塞があるいくつかの焦げ茶色の岩山と、それらを囲む青い空と海とのコントラストが鮮やかだ。 UAEでの初寄港地はフジャイラ。砂漠の中に突如出現した街という感じだが、西部劇の街と違ってドハデな超高層ビルが林立している。6本のミナレットがある立派なモスクがあったが参拝の人影がない。訪ねて見ると建築中だった。

アブダビのモスク

アラビア湾の入口、ホルムズ海峡の通過は深夜になった。アラビア側の灯はずっと見えたが、イラン側の灯は見えなかった。クルーズ船は動くホテルで便利この上ないが、海上の名所を夜間にパスしてしまうのは残念だ。

次の寄港地はドバイの先のアブダビ。町の規模はドバイに次ぐがUAEの首都はこちらである。ここでも自慢の大モスクや瀟洒なショッピングモールを訪ねた。

 

シャルジャのスーク

アブダビの夜景に見送られてドバイに着いた。今回は隣の首長国のシャルジャに行って見る。街はドバイのベッドタウンで街は連担しているが、境界を越すとタクシーのメーターが動いて料金が加算される。街中に湖のように大きなラグーン(潟)があり、その岸辺が超高層ビルに囲まれている。セントラルスークもその岸近くにあるが、アラベスク+アールヌーボー調のカマボコ型のモールで一見に値する。 スークを出て2階建ての観光バスに乗った。シャルジャ内の主な観光ポイントは網羅しているといいい、実際、いくつものデザインのモスクや建物を見たが、他に乗客は乗っていなかった。私達が乗らなかったら、このバスは空で走っていたのだろうか。

ドバイに最も近いところでバスを降り、タクシーで船に戻った。セレーナ号はここでで2泊し、その間にいつでも下船できる。
ドバイ発の飛行機は深夜便が多いから便利だ。私達も最後の夕食をとってからチェックアウト。
いつも混んでいる深夜のドバイ空港を飛び立ち、3週間のクルーズを無事終えた。

 

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