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クルーズ旅行体験記
 
 

 ロッテルダム号で航く大西洋横断と19日間世界一周の旅


クルーズ各社は毎年3月から4月にかけては自社船をカリブ海域からヨーロッパ海域へ、9月から10月にかけてはヨーロッパ海域からカリブ海域へ配置転換(ポジショニングクルーズ)をします。ひたすら大西洋を航行する単調なコースだからあまり人気がなく、タクシーが客の有無にかかわらず車庫に戻る「戻り駕篭」みたいなものだからクルーズ料金は格安で大西洋横断クルーズができる事が調べてみたら判明しました。
アメリカとヨーロッパの二つの大陸へ一度に訪れることが出来るのも魅力です。 このチャンスを見逃してなるものかと一大決心し、調べてみるとネームバリューのある名船が色々と運航している事が判明。選り取り見取りで選ぶのに苦労しましたが、迷った挙句ホーランドアメリカラインのロッテルダム号の大西洋横断クルーズに決めました。
当初は一人旅で計画し、料金の安い内側客室で検討していましたが、電灯を消すと真っ暗な内側客室で15日間過ごすのは辛いと思い、海側客室では料金が一番安い視界を遮る部屋で申し込みました(シングルユースは通常の200%料金)。視界を遮る部屋というのは救命艇が窓の向う側に設置され視界が少し悪いですが、設備的には一般的な海側客室と同じ設備で狙い目です。
この計画を友人に話したら、本格的な客船で旅をしたいから一緒に連れて行って欲しいと申し出があり、即決で了解しました。相部屋になったお蔭でクルーズ料金は予定の半額となり、とても経済的な旅ができました。
配置転換のクルーズだから乗船客は少ないかと思いきや定員1,400名のところ1,112名が乗船しほぼ満席(クルーは580名乗船し、乗船客とクルーの割合は2:1)で乗船客はアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア人が殆どで日本人は2名だけでした。このため二人で何をお喋りしようが、周りの人には分かる訳もなく話が盛り上がり大笑いしていたら、「あなた達の話している言葉は何語か?」と尋ねられることもありました。


日程

日程はアメリカのフォートローダーデールを3月30日に出発し、スペインのバルセロナに4月13日に到着する15日間クルーズです。

<大西洋横断クルーズの行程>
3月30日16時:アメリカのフォートローダーデールを出港
3月31日~4月7日:終日航海
4月8日8時~17時:ポルトガルのマディラ諸島フンシャル
4月9日:終日航海
4月10日8時~18時:スペインのカディス
4月11日7時~17時:スペインのマラガ
4月12日7時~13時30分:スペインのカルタヘナ
4月13日7時:スペインのバルセロナ入港


フォートローダーデール

カリブ海クルーズの発着港としてマイアミと共に有名な港です。 午後9時過ぎに飛行機で到着した翌朝に早速ポートエバーグレーズ港周辺を散歩しました。少し歩いたらイギリスのキャサリン妃が命名したと言うロイヤルプリンセスが目に飛び込んできました。続いて4隻の客船(ウエステルダム、アイランド・プリンセス、インディペンデンス・オブ・ザ・シーズ、ロッテルダム)が停泊。さすがクルーズのメッカ。
豪華絢爛な景観に暫く見惚れて、これから始まるクルーズへの期待が高揚してきました。


 

▲ロイヤル・プリンセス

 

▲ロッテルダム、インディペンデンス・オブ・ザ・シーズ、アイランド・プリンセス、ウエステルダム

 

終日航海

クルーズ15日間の内、終日航海は9日もあり、普通なら退屈すると思われますが、気の向くまま過ごし、退屈することはありませんでした。
フォートローダーデールを出港してから終日見渡す限り海と空だけの景色を見ていましたが、5日ぶりに遥か水平線の彼方に双眼鏡でやっと見える位の大きさの白い客船が見えた時は感激しました。
地中海沿岸は古来より様々な文化や民族が行き交い港から発展してきただけに、いずれの寄港地も時代と共に変化を遂げてきた建築物が多く、中世の街並みの景観に近づいていく入港シーンと街並みの景観から遠ざかっていく出港シーンは感動的でした。飛行機や鉄道の旅ではとても味わえない情感です。


寄港地

① フンシャル
最初の寄港地は『大西洋の真珠』と称されているポルトガル領マディラ諸島のフンシャル。
一年中温暖な気候で昼夜の寒暖の差も少なく、ヨーロッパでは古くから王侯貴族の保養地として人気の大西洋に浮かぶリゾート地です。
8日間終日航海でクルーズ10日目の朝、島の明かりが見えた時には本当に感激しました。夜が明けてきたら島全体にオレンジ色の屋根の家が斜面に建ち並びまるで おとぎの国みたい。
乗船してからずっと船内を歩いているだけに、10日ぶりに地面を歩ける喜びはひとしおでした。
ロープウエイから眺める島の景観とロッテルダムの雄姿は素晴らしかったです。
フンシャルでは40年前神戸で船内見学をしたことがあるRoyal Viking Star(現在の船名:Boudicca)に再会。とても船齢44年の老嬢とは思えない位に綺麗な外観で40年ぶりに恋人と再会したような気分になりました。


 

▲ロープウエイから望むBOUDICCAとロッテルダム

 

▲ロープウエイから望むフンシャルの家並み

 

② カディス
フンシャルを出港し翌日は終日航海で翌日に2番目の寄港地のカディスに入港しました。カディスはスペイン南西部の港湾都市です。
ヨーロッパの中で最も古い町の一つで、クリストファー・コロンブスが2回目と4回目の航海に出た港町としても有名です。
大西洋へのアクセスが良く、海外との貿易拠点として栄え、歴史的な建造物も多く、青空と大西洋を背景に旧市街の素晴らしい景観を眺めることが出来ました。
コロンブスやマルコポーロが未知の大陸を目指して大航海に挑んだ時代に思いをはせ、ロマンチックな雰囲気が漂う港町でした。


 

▲大西洋の美しいビーチ

 

▲船上より望むカディスの町

 

③ マラガ
カディスを午後6時に出港後、夜中にヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を隔てるジブラルタル海峡を通過。名勝ザ・ロック等を見えなくて残念でしたが、イベリア半島のスペイン南端に位置するマラガに翌朝7時に到着。マラガはピカソの出身地としても有名です。
船上から前方を眺めると真正面に観覧車や城塞や聖堂などの景色が歓迎してくれました。色々な建築様式が織りなす景観が見え、更に右手には太陽が燦燦と輝く地中海のリゾート地という感じのビーチが見えます。城塞の丘からは停泊しているロッテルダムや闘牛場や旧市街が眺められ素晴らしい景観でした。


 

▲城塞から望むマラガの街並み

 

▲船上から見るマラガの街並み

 

④ カルタヘナ
4番目の寄港地として地中海沿岸の港町カルタヘナに入港。
地形的にも多くの丘に囲まれ奥深い湾に町が広がっている理想的な港です。
港の目の前に街があり徒歩で観光できるので、クルーズにはピッタリの観光地。
港には洒落たクルーザーやヨットが沢山停泊し、P&OクルーズのAZURAが先に入港していました。P&Oクルーズはプリンセスクルーズと同じ系列なのでAZURAはダイヤモンドプリンセスと同型で派手な船首の塗装が目を引きました。
18世紀には地中海海軍の本拠地が置かれたこともあり、軍事関連施設が建設され海事博物館もあり、歩道からガラス越しに古い潜水艦が展示されているのも見えました。旧市街地を1時間程散策した後、遊覧船に乗って湾内周遊しましたが、天気も眺めも良く半日でも充分に観光を楽しめました。


   

▲AZURAとロッテルダム

 

▲ロッテルダム

 

▲ロシアの大富豪が所有する豪華ヨット(船価500億円) 船名:セーリングヨットA

 

⑤ バルセロナ
埠頭には111日間世界一周途上の僚船アムステルダム号が先着していました。
バルセロナで慣れ親しんだロッテルダムといよいよお別れです。まるで住み慣れた老人ホームを退去するような心境で下船しました。
下船後バルセロナでは2泊し、有名な観光スポットのサグラダファミリアやモンジュイックの丘に登り、2階建てオープンバスに乗って市内遊覧をしましたが、街中が観光客で溢れ国際観光都市の魅力を味わうことが出来ました。

船内では優しくて親切なクルーとフレンドリーな乗船客と時間を共にし、食事も上げ膳据え膳、部屋も朝夕2回掃除してもらえ、毎晩ショーや音楽鑑賞し、まさに至れり尽くせりの楽園で過ごした15日間でした。
今回クルーズの15日間総航海距離は4,559マイル(8,434キロ)で1日1時間ずつ6回時計を進めましたが、一気に現地時間に合わせる飛行機の旅とは違い、時差ボケが少ないことも船ならではのメリットと感じました。
1週間以上も船内生活をしていると顔馴染みのスタッフや乗船客が増えて、寄港地での観光から戻ってくると挨拶も盛り上がり、部屋に戻るとホッとしました。
アミューズメントパークのような大型客船とは一線を画し、140年以上の歴史と伝統を誇りにして中型船にこだわり続けるホーランドアメリカラインの経営姿勢に強い信念を感じます。ロッテルダムの総トン数は6万トンですが、大き過ぎず小さ過ぎずの船は私にとってはジャストサイズで実に快適な船でした。
今回は中部国際空港からアメリカのフォートローダーデールに飛び、フォートローダーデールからバルセロナはロッテルダム号で大西洋横断し、バルセロナからは空路ドバイ経由で帰国しましたが、結果的に飛行機と船で19日間世界一周旅行する達成感も味わうことができました。


   

▲世界一周クルーズ中のアムステルダム

 

▲サグラダファミリア

 

▲モンジュイックの丘からのバルセロナ港の景観
左からノルウエイジャンエピック、MSCスプレンディダ、、コスタファシノーザ、ヴァイキングスカイ

 

ロッテルダムのシップデータ

ホーランドアメリカラインが戦後の豪華客船全盛期に就航させたフラッグシップ。
現在のロッテルダム号は6代目として1997年に就航。
総トン数59,885トン、全長238メートル、全幅32メートル、乗客総数1,400名、乗組員数600名

 

名古屋市  柴田

 

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