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2021.06.23

ナイジェリア 大使館からのお知らせ(コレラの発生)

  • アフリカ
  • ナイジェリア
  • 感染対策
  • 注意喚起
【ポイント】

●ナイジェリア疾病予防管理センター(NCDC)は、6月21日、全国的なコレラ症例の増加が続いていると発表しました。

●英国保健当局も、本年1~5月までのナイジェリアにおけるコレラ症例が既に昨年年間の3.7倍となっていると発表しています。

●つきましては、ナイジェリアへの渡航・滞在を予定している方及び既に滞在中の方は、下記も参照いただき、コレラの感染予防に御注意ください。

【本文】

1 ナイジェリアにおけるコレラの発生増加

(1)NCDCが6月21日発表したところによれば、本年以降、10,833件のコレラ疑い症例が報告され、うち112件についてコレラ感染が確認され、死亡者は289人となった由。特に、この1か月間で症例が増加している由で、NCDCはコレラ緊急対応センターを立ち上げるとともに、注意を呼びかけている由。
特に影響が認められる州としては、プラトー州、バウチ州、ゴンベ州、カノ州、ザムファラ州、バイエルサ州及びカドゥナ州があげられています。

(2)英国衛生当局は6月16日、本年1月から5月までのコレラ疑い症例が6,728件に達し、16州で221人が死亡したと発表。同局は、2019年の症例が3,513件、2020年が1,803件であり、すでにこれらの年間の発生例を超えているとしています。

2 コレラについて

(1)コレラはコレラ菌(Vibrio cholerae)に汚染された水、氷、食品などを経口摂取することによって起こる、下痢を主症状とする病気です。潜伏期間は数時間から5日で、その後、下痢や嘔吐などの症状がみられます。腹痛や発熱はほとんどみられません。下痢の症状は様々ですが、重い場合は多量の水のような下痢(米のとぎ汁様)となり、脱水症状を起こします。胃腸の弱い人や胃切除を受けた人、高齢者、乳幼児などは重症化し、昏睡状態に陥り死亡する例もあります。

(2)治療方法としては、下痢によって体内から失われた水分と塩化ナトリウム等の電解質の補給が主となります。脱水症状が激しい場合は点滴による治療が必要となり、抗生物質を併用します。

(3)予防方法としては、流行地では、以下のような基本的な感染症予防対策を心掛け、感染が疑われる場合には、直ちに医師の診断を受けてください。

●食事の前、トイレの後の手洗いを励行する。
●食物は、十分加熱してから食べる。路上で販売されている飲食物は口にしない。
●飲料水や調理用の水はミネラルウォーターを使用する。水道水を利用する場合は十分に沸騰させた後使用する。
●安全な水から作ったことが確認できる氷以外は使用しない(コレラ菌は冷凍しても死滅しません)。

(4)コレラについては、以下のホームページもあわせて御参照ください。

●ナイジェリア疾病予防管理センター(NCDC)
https://ncdc.gov.ng/diseases/factsheet/50

●外務省(世界の医療事情)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html

●厚生労働省検疫所
https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name05.html


在ナイジェリア日本国大使館(領事班/医務班)