海外出張時の乗り継ぎトラブル

航空機の乗り継ぎに関しては、航空会社ごとに最低乗り継ぎ時間が定められています。最低乗り継ぎ時間を満たしておらず、何らかの理由で次の航空機に乗り継ぎができなかった場合、航空会社側は一切責任をとらず、最終目的地までのフライトは自己負担で再手配する必要があります。同日に同路線のフライトがあれば良いですが、フライトがない場合は乗り継ぎ地にて宿泊が必要となり、目的地への到着が翌日になることもあります。自己負担を防ぐためには航空機にて乗り継ぎをする場合、最低乗り継ぎ時間を満たしておく必要がありますが、最低乗り継ぎ時間を満たしているからといって、必ずしも乗り継ぎができるという訳ではないので注意が必要です。(最低乗り継ぎ時間を満たしていれば、乗り継ぎができなかった場合の振替便は航空会社負担で手配ができます) 今回は、航空会社側負担で代替便の手配ができる「最低乗り継ぎ時間を満たしていても乗り継ぎができなかったケース」をご紹介します。

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目次
  1. 海外出張時、日本出発便の遅延により乗り継ぎ便に搭乗できなかったケース
  2. 海外出張時、入国審査が混雑して乗り継ぎ便に搭乗できなかったケース
  3. まとめ

海外出張時、日本出発便の遅延により乗り継ぎ便に搭乗できなかったケース

上海経由青島行きに搭乗する場合、上海の浦東空港の最低乗り継ぎ時間は2時間と定められています。最低乗り継ぎ時間は空港、あるいはターミナルによって異なるので、ご搭乗予定便ごとに確認が必要です。最低乗り継ぎ時間を満たしている便で予約をしていましたが、出発便が1時間遅延して出発し到着時間が1時間遅れたため、乗り継ぎ時間が1時間となり乗り継ぎ便への搭乗が間に合わなかったとします。航空機は天候によって運航を左右され、遅延や欠航も珍しいものではなく、特に昨今では大型台風の上陸で空港閉鎖や空港までのアクセスである電車が運休することもあります。また、中国系の航空会社や、最近路線拡大が著しいLCC(Low-cost carrier)などでは、遅延や欠航が日系航空会社に比べて多いため注意が必要です。航空券を手配する際は最低乗り継ぎ時間を満たしていることで、安心できるものではなく、乗り継ぎ時間は十二分に余裕をもって航空券の手配をすることに留意しておく必要があります。
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海外出張時、入国審査が混雑して乗り継ぎ便に搭乗できなかったケース

アメリカ ダラス・フォートワース空港経由メキシコ行きに搭乗する場合、アメリカ ダラス・フォートワーッス空港での最低乗り継ぎ時間は1時間10分と定められています。ケース1でも触れましたが、最低乗り継ぎ時間は空港、ターミナルごとに異なるため注意が必要です。例えば、同じアメリカでも、ロサンゼルス国際空港の場合、国際線から国際線への乗り継ぎ時間は2時間、サンフランシスコ国際空港の場合は1時間45分となっています。乗り継ぎで目的地に行く場合、乗り継ぎ地が目的地の国(例:上海経由青島行き等)であれば、乗り継ぎ地(上海)にて入国して国内線に乗り継ぎをしますが、乗り継ぎ地が目的地ではない国(台北経由バンコク行き等)の場合、基本的には乗り継ぎ地での入国をすることなく、乗り継ぎをするケースがほとんどです。しかし、アメリカでの乗り継ぎの場合は、乗り継ぎをする空港で一度入国をする必要があります。日本国籍の渡航者がアメリカに入国するためには、ESTAの取得が必要となるので注意が必要です。また、最低乗り継ぎ時間は1時間10分となっておりますが、1時間10分では入国審査を通過して乗り継ぎ便に搭乗するのは、よほど空港内が閑散としている状態でなければ間に合わないことが多いです。アメリカを経由して第3国に行く場合は少なくとも2時間、海外渡航に慣れていない場合は3時間を目安にしておくことを推奨しております。ご出張やご旅行の計画を立てる際には、こちらも考慮したスケジュールをしましょう。

まとめ

上記の例の他にも様々な理由で乗り継ぎができないケースはありますが、大原則として海外は日本に比べ、時間の感覚がルーズであるということは頭の片隅にでも入れておいた方がいいでしょう。日系航空会社は定時通りの運航率が高いことで有名ですが、海外のフライトは遅延が多いため、乗り継ぎ時間を十分確保することが乗り継ぎトラブルのリスクヘッジになります。

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※本書の内容は、本書執筆時点(2022年11月1日)の内容に基づいています。

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