海外出張でパスポート代を会社負担にできるケースとは?適切な経費処理のポイント



海外出張が決まった際、パスポートを持っていない場合、「パスポートの取得費用は個人負担なのか、それとも会社負担なのか?」と頭を悩ませる方は少なくありません。 パスポートは私生活でも使用できるため、会社の経費として認められるのか不安になりますよね。 さらに、どの勘定科目で処理すべきか、明確な答えを持っている方も多くはないでしょう。正しい知識がないまま処理すると、後々の税務調査で思わぬトラブルを招くリスクがあります。 さらに、どの勘定科目で処理すべきか、明確な答えを持っている方は多くないでしょう。正しい知識がないまま処理すると、後々の税務調査で思わぬトラブルを招くリスクがあります。場合によっては、会社と認識の相違が生じることも考えられます。
この記事では、海外出張に必要なパスポートの取得費用が会社負担にできるのかを詳しく解説します。

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海外出張のパスポート費用は会社で負担可能か

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結論から言うと、海外出張のためにパスポート取得が必要な場合、その費用は会社の経費として負担してもらえる可能性があります。ただし、パスポートはプライベートの旅行にも使用できるため、多くの企業では個人負担とするのが一般的です。 しかし、業務に関連する出張や業務上の理由でパスポート取得が必要な場合、会社負担となるケースもあります。特に、社内規定でパスポート取得費用の取り扱いを明確に定めている企業では、全額または一部を負担してもらえることがあります。 そのため、パスポート費用の負担がどのように扱われるかは、自社の規定を確認することが重要です。規定がない場合でも、業務上必要な費用として会社と交渉できる可能性があります。まずは、経理担当者や上司に相談してみると良いでしょう。

パスポートの発行・更新費用の目安

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パスポートを持っていない、もしくは有効期限切れで更新が必要な場合、発行や更新にかかる費用を支払う必要があります。

パスポートの種類や申請方法によって、必要な費用は異なります。さらに、2025年3月24日から料金改定が適用されたため、申請前に最新の情報を確認しておくことが大切です。
以下の表で、改定後の料金を簡単にご確認いただけます。

種別 申請方法 3月23日以前 3月24日以降
10年パスポート発行 窓口 16,000円 16,300円
オンライン 15,900円
5年パスポート発行 窓口 11,000円 11,300円
オンライン 10,900円
5年パスポート発行
(12歳未満)
窓口 6,000円 6,300円
オンライン 5,900円
限定旅券
パスポート発行
窓口・オンライン 6,000円 6,000円
パスポート更新 窓口・オンライン 6,000円 6,000円

なお、オンライン申請の場合、紙の戸籍謄本の提出が不要となります。このため、パスポートを会社負担で発行する場合、料金や手間を考慮してオンライン申請を選ぶのが賢明です。 オンライン申請を利用することで、書類の準備が簡略化され、手続きがスムーズに進むため、時間とコストの削減にもつながります。

東京都生活文化スポーツ局 | 「手数料一覧
政府広報オンライン | 「2025年3月24日からパスポートの申請がオンラインで可能に!

パスポートの経費計上方法

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海外出張のためのパスポート取得費用を会社負担とする場合、主に以下の項目が対象となります。

申請手数料 収入印紙代 証明写真の撮影費

これらの費用は、会計処理上、適切な勘定科目に分類して計上する必要があります。

租税公課

パスポート申請時に支払う収入印紙代や手数料は「租税公課」として計上するのが適切です。租税公課は、政府や自治体に支払う税金や公的手数料を記録するための勘定科目です。パスポート申請料の内訳は、国へ提出する収入印紙と自治体への手数料から構成されています。

これらは、公的機関への支払いであるため、租税公課として経費処理することが妥当です。

国税庁 | 「租税公課

旅費交通費

パスポート発行費用全体を「旅費交通費」として計上することも可能です。 旅費交通費は、業務上の出張や移動に関連する費用を記録する勘定科目です。海外出張に必要なビザやパスポートの申請費用もこの科目に含まれます。この分類を適用するための条件は、パスポート取得が業務目的の海外出張に関連していることです。

業務遂行に必要な支出として、パスポート費用を旅費交通費で処理することで、正当な経費として認められやすくなります。

国税庁 | 「旅費交通費

雑費

パスポート用の証明写真代は、パスポート発行費用とは別に「雑費」として計上するケースが多いです。雑費は、他の主要な勘定科目に該当しない細かい費用をまとめる項目です。証明写真の撮影費は通常、パスポート申請時の手数料とは別の領収書で発行されるため、別途雑費として処理することで会計処理が明確になります。

国税庁 | 「雑費

パスポート費用の会社負担に関する注意点

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パスポート費用を会社負担として経費計上する際には、税務上の問題を避けるために、いくつかの注意点があります。

パスポート発行のタイミング

海外出張が決まった後に、業務目的でパスポートを取得または更新する場合のみ、会社負担の対象となります。税務調査で重視されるのは「業務上の必要性」と「タイミング」です。 もしすでに私用でパスポートを発行している場合、たとえその後に海外出張が決まっても、パスポートの発行費用は経費として計上できません。つまり、パスポートを未発行または更新タイミングが重なっている場合のみ、会社が負担することができます。

海外出張の業務目的の明確化

経費として認められるためには、海外出張の目的が純粋に業務であることが必須です。具体的には、以下のようなケースが該当します。

取引先との商談や契約締結 国際会議やビジネス展示会への参加 海外支店や現地法人の視察・監査 海外市場調査や技術研修

一方、社員旅行や福利厚生目的の旅行、業務と私用が混在している場合などでは、パスポート取得費用を経費として全額計上することは税務上認められません。業務目的での海外出張のみが対象となるため、私用部分が含まれている場合には、業務割合に応じた按分計算を行い、その分のみが会社の経費として負担されます。

海外出張の証明資料の準備

税務調査において最も重要なのは、実際に業務目的で海外出張を行った証拠資料です。海外出張の際には、以下の書類を体系的に保存しておくことが推奨されます。

出入国記録:パスポートの出入国スタンプのコピーや出入国記録証明書 交通機関の領収書:航空券の領収書、E-ticketのコピー、搭乗券の半券 宿泊施設の領収書:業務目的であることが記載されたホテルの領収書 業務記録:商談議事録、面談記録、訪問先との写真 経費精算書:出張に関わる全ての経費が記載された精算書

これらの資料は、税法上の保存期間に従い、適切に保管する必要があります。証拠書類が適切に保存されていない場合、税務調査で経費として認められない可能性があり、追徴課税が課されることもあります。

パスポートは会社負担にできるが処理は大変な理由

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パスポートは会社負担にできるが処理は大変な理由 海外出張のためのパスポート取得費用は、一定の条件を満たせば会社負担にできます。しかし、適用条件の整理や証明書類の準備、従業員ごとの手続き対応には多くの手間がかかります。特に総務や経理担当者にとっては、個別対応が増えることで業務負担が大きくなり、コア業務に集中しづらくなるという課題もあります。

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