ヨーロッパ出張に活用できる
法人向けサービス「BlueBiz」の仕組みと特徴
フライトの時間変更、急な日程ずれ、出張者の交代――
ヨーロッパ出張では、予定通りに進まない場面に意外とよく出くわします。移動距離が長く、時差や現地の祝日まで加味しなければならない分、現場としては、直前の調整があるだけでもかなり神経を使うものです。
そんなとき、航空会社が用意している法人向けのサービスをあらかじめ把握しておくと、対応の選択肢がグッと広がります。
「BlueBiz(ブルービズ)」は、エールフランス航空とKLMオランダ航空が共同で提供している法人向けのプログラムです。出張での利用に応じて、企業アカウントに“マイレージのようなポイント”が自動的に貯まり、航空券や関連サービスの支払いに充てることができます。
加えて、航空券の名義変更が無料でできたり、発券タイミングを後ろ倒しにできたりと、変更にまつわる悩みにも柔軟に対応できるのが大きな強みです。
このコラムでは、BlueBizの基本的な仕組みとその運用ポイントを整理しながら、ヨーロッパ方面への出張における実務上のメリットをご紹介していきます。

目次
1.出張時の変更リスクに備えるという考え方

出張に付きまとう変更と調整
出張というのは、計画どおりに進まないことも多いものです。
フライトの時間が急に変更になったり、現地から日程の調整依頼が入ったり、直前で出張者が変更になることもあります。特にヨーロッパ方面の出張は、移動距離が長く、時差の調整や現地の祝祭日も絡んでくるため、ちょっとしたズレでも再調整に手間がかかります。
日程変更が生じたとき、航空券を取り直さなければならないケースもあります。そうなると、費用はもちろん、承認や発券手続きもすべてやり直しに。現場としては、これが積み重なるだけでなかなかの負担になるのです。
航空会社の法人向けサービスを知っておく意義
「どの航空会社が、どんな法人向けサービスを用意しているのか」を把握しておくことは、出張対応の安定性を高めるうえでとても重要です。
たとえば、出張者の急な交代にも無料で名義変更できるサービスがあるのか。発券までの猶予を長めに持てる仕組みがあるのか――。こうした点をあらかじめ知っておくことで、柔軟な運用ができるようになります。
また、使うたびに企業側にポイントが自動で貯まる仕組みがあるなら、それはただの経費消化ではなく、資産として出張を積み上げていけることにもつながります。
業務を繰り返すだけの出張ではなく、少しでも「やりやすい」しくみがあることで、現場担当者の精神的な負荷も確実に軽くなっていきます。
2.BlueBizとは?その基本としくみ

航空会社が提供する企業向けサービス
BlueBiz(ブルービズ)は、エールフランス航空とKLMオランダ航空が共同で提供している法人向けのサービスプログラムです。
特徴的なのは、個人のマイレージとは別に、企業単位でアカウントを持ち、対象のフライトを利用するたびに「blueクレジット」と呼ばれるポイントが企業側に自動的に加算されていく点です。
このポイントは企業に帰属します。そのため、出張者が誰であっても、部署が変わっても、一貫して会社のアカウントに積み上がっていく。つまり、出張を組織として効率よく活かす仕組みになっているということです。
出張利用に応じてポイントが企業に貯まる
blueクレジットは、航空券の金額や座席指定、手荷物などの有料サービスに応じて、一定の割合で自動的に貯まります。
わかりやすく言えば、「出張するだけで、会社にポイントが入る」というイメージです。ある程度まとまったクレジットが貯まれば、次の出張で航空券代金に充当することも可能になります。
また、出張者本人のマイルも通常通り貯まるため、企業にも、個人にも、ちゃんとメリットがあるという点も見逃せません。
登録・利用は無料、ハードルが低い
BlueBizの良いところは、登録も維持もすべて無料である点です。年会費なども不要で、申し込みはオンライン上で完結します。旅行会社経由で予約しても、ちゃんとクレジットは加算される仕組みになっています。
ですので、出張の頻度がそれほど高くない企業でも、「登録だけしておけば、いざという時に使える」構成になっています。出張の予定があってから慌てて登録するのではなく、今のうちから備えておくことで、チャンスを逃さず活用することができます。
3.出張者・管理者それぞれにとってのメリット

名義変更や発券猶予などの柔軟な対応
BlueBizの特典のなかでも、実務上とくに助かるのが「出張者の変更対応」です。
たとえば、急な予定変更で本来の出張者が行けなくなった場合でも、航空券の名義を無料で変更できるので、せっかく取った予約が無駄にならず、スムーズに別の担当者に引き継げます。
さらに便利なのが「とりあえず予約して、発券はあとで」という運用ができる点。席だけ先に押さえておいて、社内の承認が下りたら発券する…といった、実際の運用事情に合った柔軟なスタイルが取れます。
「この便で行くかもしれないけど、確定はしてない」――そんな状況でも動ける余地があるのは、現場にとって非常に心強い仕組みです。
マイルとblueクレジットの併用が可能
もうひとつのポイントは、出張者本人のマイルと、企業に貯まるblueクレジットが“ダブルで貯まる”ということ。
通常、企業向けのポイント制度では、どちらか一方だけというケースもありますが、BlueBizでは個人のマイレージプログラム(例:フライング・ブルー)にも通常どおり加算されます。
つまり、出張者にとっても損のない構造で、企業にも個人にもそれぞれ還元がある形。出張の機会を企業資産として蓄積できる一方で、担当者のモチベーションも保ちやすいのが魅力です。
管理画面で実績を可視化
BlueBizに登録しておくと、企業アカウントにログインすることで、いつでもポイント残高や利用履歴が確認できます。
たとえば「この部門は今期何回使ったか」「どれくらいクレジットが貯まっているか」といった情報が一覧で確認できるため、出張実績の管理や社内報告も効率的に。
仮にBlueBiz番号の登録を忘れてしまっても、フライト後6か月以内であれば事後登録も可能。さらに「ステートメント(利用実績報告書)」として明細のダウンロードもできるので、会計との連携にも便利です。
4.ヨーロッパ出張に適した路線と活用シーン

ヨーロッパ方面への出張では、単なる往復ではなく「複数都市を訪問する」ことも珍しくありません。
欧州各都市・地方都市への強い接続性
BlueBizの対象となっているエールフランス航空とKLMオランダ航空は、それぞれパリ(CDG)とアムステルダム(AMS)をハブにして、西ヨーロッパ全体へ強力な路線網を展開しています。
乗り継ぎ1回で行ける都市の例としては:
・ フランス:リヨン、マルセイユ、ナント、トゥールーズ
・ ドイツ:ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ
・ イタリア:ミラノ、ローマ、フィレンツェ、ベネチア
・ スペイン:バルセロナ、マドリード、バレンシア、ビルバオ
・ イギリス:ロンドン、マンチェスター、エディンバラ
地方都市を含め、目的地までの“最後の一押し”がしやすいという点は、他社路線と比べても大きな強みです。
周遊出張や複数拠点への移動に対応しやすい
ヨーロッパ出張では、「複数の国や都市をめぐる」というケースも少なくありません。
BlueBizの利点のひとつは、こうした周遊にも対応しやすいところです。エールフランスとKLMはグループ内でコードシェア便が多く、片道ずつ違う都市を利用する「オープンジョー」構成も比較的組みやすくなっています。
行きはKLMでアムステルダム着、帰りはエールフランスでパリ発など、航空会社をまたいでBlueBizクレジットを貯められる点も、非常に実用的です。
中南米・アフリカ方面への広がり
ヨーロッパ以外にも、BlueBiz対象の路線は一部中南米やアフリカにも広がっています。
たとえばブラジル、アルゼンチン、セネガル、南アフリカといったエリアへも、ヨーロッパ経由での出張が可能。欧州を拠点に広域に展開している企業にとっては、これもひとつの活用シーンとなり得ます。
次は、制度面以外にも注目されている視点として、「サステナビリティ対応と備えとしての導入効果」についてご紹介します。
5.サステナビリティ対応と備えとしての導入効果

CO₂排出証明の発行でESG対応にも活用可
最近では、出張の機会があるたびに「この移動が環境に与える影響も把握しておきたい」という意識が高まってきました。
BlueBizでは、エールフランス航空やKLMを利用した企業に対して、直近12か月分のCO₂排出量をまとめて算出し、そのうちオフセットされた分については証明書も発行してくれる仕組みがあります。
環境報告書やCSR資料、あるいはESGへの取り組みの一環として、こうした証明書を活用する動きも進んでおり、ただの「飛行機利用の記録」では終わらせない取り組み方が可能になります。
出張頻度が少なくても“使えるときに使える”サービス
「うちはそんなに頻繁にヨーロッパ出張があるわけじゃないし…」という企業でも、BlueBizは十分に導入する価値があります。
というのも、登録や維持にかかる費用は一切なく、何もしていなくてもポイントが失効するようなこともありません。
スポット的な出張――たとえば国際見本市への参加、欧州拠点との年次会議などでも、必要なタイミングだけ使えばOK。気負わずに“備えておける制度”として、運用しやすいのが魅力です。
部署単位・将来の備えとしての登録も選択肢
「今はヨーロッパ出張があるのはA部門だけだけど、今後B部門でも動きがあるかもしれない」
そんな場合でも、BlueBizは柔軟に対応できます。
企業全体でまとめて登録してもよいですし、部署単位での登録・運用も可能。将来的に出張が増えることを見越して「今のうちに登録しておく」という動きも十分現実的です。
ポイント(blueクレジット)には有効期限がありますが、数年単位で繰り越せるので、多少時間が空いても安心。組織としての“出張インフラの選択肢を増やす”という意味でも、備えとして検討しておいて損はありません。
BlueBizは単なるマイレージサービスではなく、実務的な柔軟性と環境配慮、そして将来への備えという視点も含めて活用できる法人向けサービスです。
6.まとめ

ヨーロッパ方面への出張では、日程変更や拠点間の移動など、柔軟に対応できる航空手配が求められる場面が多くあります。
そんな中で「BlueBiz」は、企業向けに設計されたポイントサービスとして、出張の実績に応じてポイントが蓄積されるだけでなく、名義変更や発券猶予といった実務面での運用性も高く、現場に寄り添った仕組みになっています。
特に、出張頻度が限られていても導入しやすく、部署単位や将来の展開に備えた柔軟な登録が可能である点は、多くの企業にとって魅力となるはずです。
サービスの詳細は以下の公式サイトでもご覧いただけます:
👉
BlueBiz 公式サイト(外部リンク)
また、BlueBizの登録についても、IACEトラベル経由でのお問い合わせが可能です。
導入に際して不明点がある場合や、既存の出張手配との連携をご希望の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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