海外市場をどう調べる?今日からできる現地市場調査の始め方
海外市場で自社商品を売ったり、新サービスを広げたりしたいとき、多くの人が最初に躓くのは「海外市場をどう調べれば良いのか」という部分です。
日本とは文化も好みもルールも違うため、感覚だけで挑戦してしまうと、思わぬところで失敗してしまいます。 だからこそ、事前の市場調査はとても重要になります。
とはいえ、海外市場の調査となると「専門家じゃないとできないのでは?」や「英語ができないと無理そう…」と不安に思うかも知れません。
実は、海外市場の調査には段階があり、全てを一度に理解する必要はありません。 ネットだけでできる調査もあれば、より深い分析が必要な調査もあります。
この記事では、そのなかでも今日から始められる調査方法に絞って、分かりやすく解説します。
まずは、自分でできる範囲の調査から始めてみることで「海外で本当に通用するのか」や「どの国にチャンスがあるのか」が見えてきます。
この記事を読みながら、一緒にその一歩目を踏み出してみましょう。
目次
海外市場の調査は5つの段階に分けられる
海外市場の調査は、ひと口に「調査」といっても方法は色々とあります。 ネットで少し調べるだけで分かることもあれば、専門家が何ヶ月もかけて行う本格的な調査もあります。
最初から全てを理解しようとすると混乱してしまうので、どんな種類があるのか大まかに知っておくことが大切です。 海外市場の調査は、次の5つのレベルに分けられます。
【海外市場調査の5つのレベル】
レベル1:海外市場の全体像を掴む
レベル2:公的なデータやレポートを読み解く
レベル3:競合分析や顧客ニーズを深掘る
レベル4:現地で本格に調査する
レベル5:専門家や調査会社に依頼する
このうち、レベル1〜3の「自分で実践できる調査方法」に絞って解説していきます。
レベル1:海外市場の全体像を掴む
海外市場を調査するとき、全体像を掴むところから始めましょう。 海外での反応や市場の雰囲気を掴むには十分で、ここを押さえておくだけで判断の精度が大きく変わります。
海外で話題になっているかチェックする
海外ユーザーの口コミを読んでみる
海外で話題になっているかを軽くチェックする
まず確認したいのは「そもそも海外で話題になっているか」という点です。
調査方法はシンプルで、商品名やジャンルを英語で検索してみたり、SNSで海外ユーザーの投稿を探してみたりするだけ。
使用感が気になるときは、YouTubeで海外動画のレビューを探すのも効果的です。
「海外にも同じ悩みを持っている人がいるのか」や「どんな表現で話題になっているのか」を軽く見ておくだけでも十分です。
海外ユーザーの口コミを翻訳して読んでみる
海外の反応を知るうえで、とても分かりやすい情報源が「口コミ」です。
実際に使った人の感想は、その国で何が求められているかを知る手がかりになりますし、日本との価値観の違いも見えてきます。
そこで、海外版のAmazonや海外のレビューサイトを開き、気になる商品に近いものを探してみてください。
口コミを見るときは「どこを褒めているのか」や「どこに不満を感じているのか」を軽く読みとるだけで十分です。
例えば、日本では気にされない部分が海外では重要になっていたり、逆に日本で人気のポイントが全く評価されていなかったりすることもあります。
レベル2:公的なデータやレポートを読み解く
海外市場の反応を掴めたら、次はもう少し具体的に見ていきます。
ここは、数字や事例を見て、海外で戦えるかどうかを判断できる材料を集める段階です。
見るポイントは3つで、どれも自社商品が海外で売れそうか確かめるために必要な情報になります。
市場規模がどれくらい
どんな競合がいるのか
その国の人たちは何を重視して買っているのか
無料データで市場の大きさをざっくり確認する
海外市場にて「どれくらいの需要があるか」を調べたいときは、無料で公開されているデータを見るのもおすすめです。
例えば「JETRO」の国別ページでは「人口構成・平均年収・経済成長率・主要産業」といった調査データを閲覧できます。
海外市場にて「子供向けサービス」での進出を考えているなら、こうしたデータから子供の人口比率が高い国はどこなのか調査するだけでも、狙う国が絞れてきます。
さらに「自社商品に近い分野」が分かっている場合は、そのカテゴリーの市場規模を示した無料レポートを探してみてください。 「ヘアケア商品」なら「Hair care
market・(国名)」と検索するだけで、各国の売上規模や成長率をまとめたレポートが見つかることもあります。
参照 | 「Global Hair Care Market Size, Share, Trends & Growth Forecast Report」
ここでの目的は、細かい分析ではありません。 「この国は市場が大きい」や「この国は伸びている」といった、当たりを付けることが目的です。
興味のある国における「人口・年齢層・所得・市場規模」の4つを確認してみてください。 これだけでも、海外市場のイメージが大きく変わります。
競合の価格や売り方を比べてみる
その国で実際にどんな商品が、どんな価格で売られているのかを調べます。
やり方はシンプルで、海外の通販サイトや現地向けのECモールで、自分の商品に近いものを検索してみます。
例えば…
アメリカ → Amazon.com
イギリス → Amazon.co.uk
インド → Flipkart
ベトナム → Shopee
ここで見るべきポイントは3つです。
価格帯
a.同じジャンルの商品が何ドル(何円相当)で売られているか
b.日本より高いのか安いのか
売り方
a.どんな写真を使っているか
b.どんな特徴を強調しているか
c.レビューの数と評価
現地で人気の商品と、その理由
a.上位に出てくる商品は、なぜ選ばれているのか
b.レビューには、何と書かれているのか
例えば、同じ「ヘアオイル」でも、日本では香りが重視されるのに対し、海外では成分の強さや髪質への効果が重視されるケースもあります。
こうした違いは、実際の競合商品を見ないと絶対に分かりません。
まずは、上位の商品を5つほど見てみてください。 価格・特徴・レビューの傾向が分かるだけで、その国で戦える可能性がぐっと判断しやすくなります。
ターゲットの国の文化や価値観を知る
海外と日本では文化や価値観が違うため「何が良いと感じるか」や「何を優先して買うか」も大きく変わります。
ここを間違えると、どれだけ品質が良くても売れることはありません。
例えば、スキンケア商品ひとつとっても、どこに価値を置いているかが全く違います。
保湿
成分の強さ・即効性
自然由来・オイル系
肌の見え方(ツヤ・透明感)
見ておきたいのは、意外にもレビューの「低評価」。 日本では気にしないポイントが、海外だと不満として書かれていることがあるからです。
ターゲットとなる国を決め、その国の当たり前を知るところから始めてみてください。
レベル3:競合分析や顧客ニーズを深掘る
レベル3では、現地の人が本当に求めているものを探っていきます。
ただ、いきなり渡航したり、高額な調査費を支払って外部の専門会社に依頼したりするのは早すぎます。
ネットを駆使して、現地の人がどんな悩みを持ち、どういう理由で商品を選んでいるのか、探っていきましょう。
質問サイトやサジェストを確認する
売れ筋の商品を分析してニーズを掴む
質問サイトやサジェストを確認する
海外のニーズを深く知りたいなら、単純な口コミやレビューよりも、ユーザーが「実際にどんな質問しているか」や「どの情報を求めて行動しているか」を見るほうが、はるかに正確です。
まず試してほしいのが、海外向けの「質問サイト」を使う方法です。
代表的なのは「Reddit」や「Quora」で、ユーザーが日常的に抱えている悩みや疑問が、そのまま質問として残っています。
もうひとつ強力なのが、GoogleやYouTubeのサジェストを分析する方法です。
サジェストは、ユーザーが「何を検索しているか」という行動の証拠であり、精度の高いデータです。
こうしたログをいくつか読み込むだけで、現地ユーザーが求めているポイントが自然に浮かび上がってきます。
売れ筋の商品を分析してニーズを掴む
実際に売れている商品を分析するのも、顧客ニーズを調べる方法のひとつ。
単にランキングを見るだけでは、物足りません。 重要なのは「売れている商品に共通しているポイントを抜き出すこと」です。
例えば、売れ筋の商品を5個〜10個ほど選び、商品ページから以下のような情報を書き出していきます。
【例:ヘアオイル】
容量
価格帯
成分
香りの種類
推されている髪質
レビューで多い褒めポイント
レビューで多い不満ポイント
これらを簡単なメモで並べていくだけで…
「売れている商品は●●系の成分が多い」
「高評価の口コミはベタつかないことを強調している」
「同じ価格帯でも、●●の特徴が入っている商品が伸びている」
といった共通点が浮かび上がってきます。
この共通点こそが、現地のユーザーが本当に求めているポイントです。
重要なのは、数字ではなく「価値の軸」に注目すること。
価値の軸が分かると、あなたの商品がその国でどこまで通用するのか、どこを調整すべきかがハッキリします。
調査結果をもとに参入すべきか判断する3つの基準
レベル3までの調査を終えると、海外市場の姿が掴めてきます。 ここで悩むのが「その国に参入すべきなのか」という判断です。
ここでは、海外参入を決めるときに押さえておきたい3つの判断軸をご紹介します。
伸びている市場か確認する
海外市場に参入するとき、その国の市場がどれくらい成長しているか確認します。
見るべき指標は「年ごとの成長率」。 市場規模が大きいかどうかより、成長が続いているかどうかの方が、参入のしやすさに直結します。
例えば、前年比で5%前後の伸びが続く市場は、利用者が増えているため、新ブランドでも入り込みやすい状況です。
一方で、成長率が0%〜1%、あるいは数年連続でマイナスの市場は、需要が頭打ちになっている可能性が高く、参入しても結果が出にくくなります。
成長率は、政府データや無料レポートで確認できます。 「伸びている市場かどうか」を押さえるだけで、その国を優先すべきか、別の候補に切り替えるべきかが明確になります。
隙間があるかどうか考える
海外市場にて成功する可能性を左右する要素に「競合が取りこぼしている領域の有無」がかかわってきます。
ECサイトで上位商品の「価格帯・商品の特徴・レビューの傾向」など見比べてみて、自社ブランドの強みを各ブランドが満たしていなければ、そこに参入の余地があります。
また、レビューで頻繁に指摘されている不満があるのに、上位のどの商品もそこを改善できていない場合、その部分は明確な隙間です。
逆に、強みも弱みも似ている商品が並んでいる市場は、差別化の余地が少なく、新規ブランドには厳しい環境になります。
上位10商品の特徴を並べて比較すると、市場がどれだけ飽和しているか、あるいは未対応のニーズがどれだけ残っているかが判断できます。
自社の強みが現地の価値観に合うかを判断する
隙間を見つけても、それが単に対応が遅れているのではなく「その国の価値観と合わないために手が出されていない」ということもあります。
ここを見誤ると、参入しても評価されないケースが起きます。
分かりやすい例が「香りの強さ」です。
日本は入浴習慣が根付いており、湿度も高いため、強い香りは必要以上の主張になると感じる人が多いです。
そのため、ヘアケアやボディケアでも、香りは「控えめ」や「やさしい」ものが好まれる傾向があります。
一方で、欧米の一部地域ではシャワー中心の生活が一般的。 湿度が低く、体臭ケアの文化が強いことから、しっかり香るタイプのアイテムが広く受け入れられています。
このように、日本での強みが海外では強みにならないことがあります。 そこで、自社商品の特徴を整理し、現地ユーザーがレビューやSNSで評価している点と照らし合わせてみてください。
現地で重視されているポイント
よく褒められている要素
不満として挙げられている特徴
これらと自社の商品がどれだけ一致しているかが、参入判断の材料になります。
海外展開では「自社が強いと思っている点」ではなく「その国で強みとして解釈される点」に視点を合わせてみてください。
専門家に任せるべき調査はどのラインから?
海外市場の調査は、ある段階を超えると、専門家でなければ扱えない情報や、現地での調整が必要になる部分が増えてきます。 目安になるのは、次の2点です。
ひとつめは、現地の利用者に直接会う必要が生じたときです。
オンラインの情報では拾いきれない生活習慣や価値観を深掘りしたい場合、現地でのインタビュー、店舗視察、テスト販売が必要になります。
これらは「言語・文化・調整」の問題が大きく、専門家や現地調査会社を通した方が正確な結果が得られます。
もうひとつは、広い範囲のデータを統計的にまとめる必要が出てきたときです。
複数国の比較調査、大規模アンケート、サンプル数を確保したテストなどは、自力で行うには負荷が大きく、分析にも専門知識が求められます。
ビジネス判断の精度を上げたい場合は、ここから先を専門家に任せた方が合理的です。
海外展開の準備を進める際は、まず自分でできる範囲まで調査し、そのうえで「判断に迷う部分だけ」を専門家に任せるのが最も効率的です。
海外市場の調査は「できるところ」から小さく始めよう
海外市場の調査は、全てを一度にやろうとすると情報が多すぎて迷いやすい分野です。 しかし、段階を分けて進めることで、必要な情報が自然と順番に揃っていきます。
海外市場の全体像を掴む
公的なデータやレポートを読み解く
競合分析や顧客ニーズを深掘る
ここまで進めるだけでも、どの国に可能性があり、どこを避けるべきかが分かります。
専門家が必要になるのは、現地での調査や大規模なデータ分析といった、自力では扱いきれない領域に入ってからで十分です。
海外参入は大きな決断に見えますが、最初の一歩は小さくて構いません。 まずは、今日できる範囲から調査を始めてみてください。
海外出張は航空券やホテルの手配、査証の確認、通訳の確保…などなど。特に複数の候補地を回る場合は、想像以上に時間と労力がかかります。
また、現地での移動中にトラブルが起きた場合、日本語でサポートを受けられない不安もあります。
そこで近年注目されているのが、航空券やホテルはもちろん、通訳やガイドの手配も含めて旅行代理店に一括で相談し、出張全体を包括的にサポートするBTM(Business
Travel Management) という考え方です。
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