海外企業の実態調査で見えてくる課題と落とし穴|出張・取引前に知っておきたい現地理解のポイント



海外でのビジネスを成功させるには、事前の「実態調査」が欠かせません。 進出を検討している国や地域の市場環境、現地企業の特徴、業界の課題を把握しておくことで、無駄のない出張計画や正確な判断に繋がります。

この記事では、海外企業の実態調査を効果的に進めるための具体的なステップを紹介します。 進出を予定している国・地域の企業を調べる方法、そしてすでに海外で活動している日本企業の実態を分析する方法を、それぞれの目的に合わせて分かりやすく解説します。

「どの情報をどの順序で集めればいいのか」を整理することで、調査をスムーズに進め、確かな根拠に基づいた判断ができるようになるはずです。

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海外企業の実態調査はこの5ステップで進める

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どのような会社が多く、どのような仕事を進めていて、どのようなことで困っているのか。 それを調べることで、海外進出するときに「何がチャンスで何が壁になるか」が見えてきます。

ここでは、進出予定の海外にある企業の実態調査にて、どのような情報を集め、どう整理すれば良いか説明します。

STEP1|調査の目的を決める

海外企業の実態調査を進めるにあたって、まずは「自社が何を知りたいのか」をはっきりさせましょう。 以下のように「実態調査を実施する目的をひとつに絞る」という場合、集めるデータの種類や調査の方法が明確になります。

ベトナムの製造業で、現地企業の給与相場と離職率を知りたい インドネシアで日本企業が提携できるIT企業を探したい タイの小売業の競争環境を把握したい
テーマを決めるときは、自社が海外進出で失敗したくないことを出発点に考えると浮かびやすいです。 販売計画で躓きたくないなら「市場規模と価格帯」を、人材面のトラブルを避けたいなら「現地の雇用環境」を優先して調べる、というように決めます。

STEP2|公的情報とデータベースで全体像を掴む

実態調査の目的が決まったら、次は「現地の全体像」を掴みます。 おすすめなのは、公的機関が出しているデータです。 例えば「JETRO」では、国や地域別に「経済状況・外資規制・産業分布」をまとめたレポートを公開しています。

外務省」や「経済産業省」のサイトでも「企業数・投資環境・貿易統計」などが確認できます。 現地政府の統計局や商工会議所が出している資料も信頼性が高く、企業規模や雇用数などの基本データを掴むのに役立つことでしょう。

さらに「Orbis」や「Dun & Bradstreet(パートナー企業:東京商工リサーチ)」などの国際企業データベースを利用することで、その国にどのような企業が存在しているかを閲覧できます。 「業種・従業員数・資本構成・設立年」といった情報を比較することで、現地市場の輪郭が明確になることでしょう。

STEP3|現地企業をリスト化し競合・提携候補を洗い出す

全体の状況を掴めたら、次は現地で活動している企業を具体的に洗い出します。 ここで目指すのは、自社に関係する企業をリスト化し、業界の構造を見える化することです。

調査するときに使いやすいのは、現地の商工会議所や業界団体の会員名簿です。 多くの団体が「企業名・所在地・業種」などを公開しており、その国の企業分布を把握できます。 より詳しく調べたいときは「Orbis」や「Dun & Bradstreet」などを利用するのがおすすめです。

企業のリストを作るときは、以下の項目をExcelやスプレッドシートに整理しておくと便利です。

企業名 業種 規模 資本構成 特徴
企業のWebサイトやニュース記事から、直近の動きや提携実績もメモしておくと、後で分析しやすくなります。

STEP4|ニュース・SNSで最新動向を把握する

公的な統計やデータベースでは、企業の「数字」は分かっても「今は何が起きているのか」までは見えません。 そこで役立つのが、ニュースとSNSによる情報収集です。

ニュースでは、企業の「新規事業・撤退・人材採用・法改定」など、変化の兆しをいち早く知ることができます。 現地経済紙や業界ニュースを月に1回〜2回ほどチェックするだけでも「どの企業が伸びているか」や「どんな課題が話題になっているか」が見えてくることでしょう。

SNSでは、企業の担当者や社員が日常的に発信しているリアルな声を確認します。 LinkedInでは「採用や経営方針の変化」を、X(旧Twitter)では「現地での話題や業界の空気感」が分かると思います。

STEP5|商工会議所にヒアリングして現場の声を聞く

現地企業の実態を調査する方法は、いくつかあります。 ただ、実際に動きやすく、信頼できる情報が手に入りやすいのは、現地商工会議所に話を聞いて情報を集める方法です。

商工会議所は、その国で活動する企業のネットワークの中心にあり、会員企業から集まる情報をもとに、業界の動向や課題を日常的に把握しています。 つまりは「最近の法改定で何が変わったか」や「人材確保で企業が苦労している理由は何か」など、現地企業しか分からない生の声を聞くことができる訳です。

問い合わせる方法はシンプルで、メールで要点を伝えれば対応してもらえることがあります。 実際にヒアリングをおこなうときは「最近話題になっている課題」や「現地企業が特に注目している分野」など、数字では見えない背景を意識して質問するのがおすすめです。

ここまでの実態調査をおこなえば、進出予定の現地企業の実態を具体的に掴めることでしょう。

日本企業(現地日系企業)の実態を把握する方法

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海外で事業を続けられている企業の多くは、経済の変化や法制度の違い、人材確保の難しさなど、様々な壁に向き合っています。 そうした動きを調べることで、単に数字を知るだけでなく、海外ビジネスで成功するために必要な条件や失敗を防ぐための注意点が見えてきます。

ここでは、海外で活動する日本企業の動きを把握する方法をご紹介します。

STEP1|公的レポートで全体像を掴む

海外で活動する日本企業の状況を調べるなら、公的機関が発表する調査データを見るのが手っ取り早いです。 データを確認できるサイトは、主に2つ。 1つは「JETRO」の「海外ビジネス情報ページ」。 ここで毎年公開される「海外進出日系企業実態調査」では、各国や地域で活動する日系企業の現状や課題をアンケート形式でまとめています。

もう1つは 「経済産業省」の「海外事業活動基本調査ページ(e-Stat内)」です。 こちらでは、海外現地法人の「売上高・従業員数・投資額・利益率」などを数字で比較できます。

見るべきデータは、次の3点です。

業績の見通し
a.黒字と赤字の割合から、どの国で事業が安定しているかを判断できる
課題
a.現地で「人材確保・コスト上昇・法改定」など、どんな問題が多いのかを把握できる
事業方針
a.今後の拡大と縮小を予定している企業の割合から、地域の将来性を読むことができる

こうしたデータを見る理由は、単なる統計としてではなく、自社の立ち位置を考える材料になります。

STEP2|業界団体・商工会議所で近い事例を探す

数字で全体像を掴んだら、次は現場の企業がどう動いているかを知りましょう。 そのときに頼りになるのが、現地の業界団体や商工会議所が発信している情報です。

例えば、現地製造業連盟やIT協会のサイトには、企業の最新ニュース、課題共有レポート、そして成功・失敗の事例などが定期的に掲載されています。 会員でなくても閲覧できる公開資料も多く、調査の第一歩に最適です。

一方、商工会議所は地域単位の企業ネットワークとして機能しています。 「バンコク日本人商工会議所」や「シンガポール日本商工会議所」では、現地で活動する日系企業を対象にアンケート調査や会報を発行しており、今の現場で起きていることを把握できます。 どのような企業が現地で苦戦しているのか、どのような業種が伸びているのかを掴むには、最適な情報源です。

STEP3|現地日系企業の担当者にヒアリングする

実態調査の仕上げには、現地で活動している日本企業の担当者に話を聞くのが最も確実です。

まず試してみたいのが、LinkedInを使ったアプローチです。 国や業種で検索すれば、現地で働く日本人駐在員やマネージャーのプロフィールが簡単に見つかります。

興味のある企業の担当者に「同業として現地の状況を学びたい」とメッセージを送れば、オンラインで短い面談に応じてもらえることもあります。 ビジネス目的を明確に伝え、礼儀を意識すれば失礼にはなりません。

また、現地日本人会やビジネス交流イベントも貴重な場です。 各国の日本商工会議所やJETROが主催するセミナーやウェビナーでは、現地で事業を運営している企業担当者が登壇することが多く、質疑応答を通じて現地で何が本当に課題になっているのかを聞くことができます。

STEP4|調査結果を自社の戦略に結びつける

実態調査は、情報を集めただけでは意味がありません。 集めたデータやヒアリング内容を自社の戦略にどう結びつけるかが、実態調査の最終目的です。

まずは、集めた情報をテーマごとに整理しましょう。 「市場・人材・コスト・競合・制度」などの分類に分けて、それぞれの項目から「自社に関係のある ポイント」だけを抜き出します。 全て情報を残す必要はなく、自社の意思決定に使える内容だけを残すのがコツです。

次に、その情報をもとに「チャンス」と「リスク」を分けて考えます。 例えば「同業の多くがASEANで事業拡大」とあれば、成長余地のある地域と判断できます。 一方で、「現地人材の定着率が低い」などの傾向が見えれば、採用コストや教育体制のリスクが想定できます。

最後に、整理した内容を社内で共有できる形にまとめると効果的です。 報告書やプレゼン資料に「現地の実情・想定されるリスク・今後の方針案」を簡潔にまとめれば、経営層や現場担当者の間で認識を揃えることができます。

実態調査しても失速してしまうケースがある

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信頼できる情報を集め、現地の企業を分析し、担当者の声を聞く。 ここまで実践できれば、出張や進出の判断材料を揃えられ、準備は整ったと感じられることでしょう。

しかし、実際の現場では、その努力が次の行動に繋がらず、止まってしまうケースが珍しくありません。

なぜ、実態調査まで完璧に進められていたのに、失速してしまうことがあるのでしょうか。 その理由は単純で、実態調査の次に待ち受ける「出張準備」が想像以上に複雑だからです。

航空券やホテルの予約、ビザの取得、Wi-Fiの手配、社内の承認や経理処理。 さらに、現地企業との打ち合わせ日時や移動スケジュールを調整する段階で「誰がどこまで手配したか」が分からず、社内の判断が遅れてしまうケースもあります。

結果として、どれだけ実態調査で良い情報を得たとしても、実際の現場では予定通りに動けず、実態調査の成果を活かせないという状況に陥るのです。

実態調査を活かせる企業こそ海外ビジネスを制する

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実態調査は、海外展開の出発点です。 市場や企業の実情を知り、現地の課題やチャンスを見極めることで、初めて自社にとって最適な戦略や行動計画が見えてきます。 そして、その「行動」に結びつける仕組みが整っていれば、調査の価値は何倍にも高まります。

海外での成功は「調査で終わらせないこと」から始まります。 情報を集め、分析し、行動へ移す。 この一連の流れを滞りなく実現できる企業こそ、これからの国際ビジネスをリードしていく存在になるでしょう。

海外出張は航空券やホテルの手配、査証の確認、通訳の確保…などなど。特に複数の候補地を回る場合は、想像以上に時間と労力がかかります。 また、現地での移動中にトラブルが起きた場合、日本語でサポートを受けられない不安もあります。

そこで近年注目されているのが、航空券やホテルはもちろん、通訳やガイドの手配も含めて旅行代理店に一括で相談し、出張全体を包括的にサポートするBTM(Business Travel Management) という考え方です。

本来の目的に集中できる環境を整える

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BTMサービスを導入する企業は年々増えており、あらかじめ契約している旅行代理店があれば、出張の計画から手配、精算、パスポート情報、実績管理に至るまで、一連の業務を一元的に管理することが可能になります。出張や渡航に必要な手配──航空券、ホテル、査証の確認、24時間のアシスタントサービスなどを管理できる「Smart BTM」がその例です。企業が本来注力すべき「海外進出そのもの」に集中できる環境を整えます。

海外進出を本気で成功させたいと考えるなら、まずはパートナーを慎重に選ぶこと。企業のホームページや広告文だけを信用せずに、インタビュー記事や口コミも必ずチェックしましょう。

クラウド出張手配システム「Smart BTM」導入事例・インタビュー

出店候補地の下見やパートナー企業との面談など「意思決定のための視察」をスムーズに進めたい企業にとって、Smart BTMは心強い味方です。

Smart BTMの特徴

  • 初期費用と使用料が「無料」
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