海外進出の失敗は『パートナーの選び方』にアリ!信頼できる相手を見極める方法|選び方と準備のポイント
海外進出時の壁として、よく挙がるのが「パートナーの選び方」です。 どんなに優れた商品やサービスを持っていても、現地を知る人間がいないのでは、思うような結果は得られません。 逆に、信頼できるパートナーがいれば、言葉の壁や手続きの複雑さを乗り越えて、大きな成果につなげることもできます。 ただし、問題は「どうやって信頼できる相手を見つければいいのか」という点です。 安易に決めてしまえば、大きな損失やトラブルを招く可能性もあります。 本記事では、企業が海外に進出する際にパートナー選びがなぜ重要か、その判断基準や探し方、さらに注意すべき失敗例まで整理してお伝えします。

目次
パートナー選びを甘く見ると海外進出に失敗する

海外進出は、国内での事業拡大とは次元が違います。 言語、法律、商習慣、文化、全てが異なる環境。 それなのに「現地に知り合いがいるから」や「費用が安かったから」といった理由で、パートナーを決めるケースもあります。 しかし、その判断が誤っていたときの代償は計り知れません。 実際、ローランド氏も海外進出の際にパートナー選びを誤り、6,000万円の損失を出したと公言し ています。
スポニチ|「ローランド、海外事業断念 6000万円の損失…「完全にやられた」「ヤバイ感じ」一連の流れ告白」
つまり、パートナー選びを「形式的な手続き」や「コストの比較」程度に考えるのは極めて危険です。
良いパートナーを見極めるための基準
現地での移動手段として、まず検討されるのがタクシーです。
空港から市内、ホテルから商談先など、目的地をピンポイントで指定できるため利便性が高く、荷物が多いときや時間に余裕がないときにも重宝します。
過去には、海外だと暴利な値段を吹っ掛けられることもありましたが、今は配車アプリを利用することで料金が事前に提示されるケースが多く、トラブルが防ぎやすくなっています。
都市によっては現地の定番アプリ(東南アジアのGrab、中国のDiDiなど)があるため、渡航前に確認しておくと安心です。
国や地域によってはタクシー料金の高さ、交通渋滞の激しさ、ドライバーの信頼性。 利用前に現地事情を調べ、自分のスケジュールや移動距離に合った形で使い分けると良いでしょう。
良いパートナーを見極めるための基準

海外進出時のパートナーは、その場の勢いや感覚で判断してはいけません。 いくつかの明確な基準に照らして冷静に見極めることが大切です。
実績と信頼性
1つ目は「どんな実績を持っているか」です。
どんな企業と取引してきたのか、どの分野で成果を上げてきたのか。 その相手が本当に頼れる存在かどうかを判断する大きな手がかりになります。
実績があると経験から学んだノウハウを持っており、突発的なトラブルにも柔軟に対応できる可能性が高いです。
逆に実績が乏しいと、話がスムーズに進まなかったり、予想もしないリスクに巻き込まれたりする危険性があります。
信頼性は目に見えにくいものだからこそ、数字や事例といった客観的な裏付けを重視しなくてはいけません。
現地ネットワークやサポート体制
2つ目は「現地に根ざした人脈や情報網を持っているか」です。
海外進出時は、行政手続きや物流の調整、現地企業との交渉など、書類上の契約だけでは解決できない場面が数え切れないほどあります。
また、現地スタッフによるサポート体制が整っているかどうかも重要です。
ここを軽視すると、いざというときに助けてもらえず、取り返しのつかない遅れや損失につながりかねません。
契約条件やコストの透明性
海海外進出時の失敗談でよくある話が「最初は安いと思って契約したのに後から追加費用が発生した」というケース。
料金や条件が曖昧だと、気付けば想定以上のコストがかかり、事業計画が狂ってしまいます。
だからこそ「契約条件」と「コストの内訳」を確認する必要があります。
見積もりの段階から細かい項目まで説明してもらえるか、契約書に抜けや曖昧な表現がないかは、信頼性を測る大事なポイントです。
文化や商習慣への理解
結局、最後に物を言うのは「人と人との関係」です。
細かな文化の違いが積み重なると、信頼関係が揺らぎかねません。 だからこそ、文化や商習慣の違いを理解し、歩み寄れるパートナーかどうかは重要です。
海外進出は「契約」だけでなく「信頼関係」にも支えられています。 それを築くために、文化や商習慣への理解度は見過ごせない判断基準なのです。
信頼できるパートナーを探す方法

良いパートナーを見極める基準が分かっても、その相手を見つけるとなると多くの企業が躓きます。
情報が限られているので、手当たり次第に探すのは現実的ではありません。 だからこそ「どうやって探すか」を意識する必要があるのです。
ここでは、信頼できるパートナーを探すための選び方を紹介します。
商工会議所やJETROなど公的機関
最も安心できるのは、商工会議所やJETRO(日本貿易振興機構)のような公的機関です。
現地の経済状況やビジネス環境の情報を持っており、信頼できる現地企業の紹介や、ビジネスマッチングの場を提供してくれることがあります。
公的機関を活用するメリットは、情報の信頼性が高いこと。 民間の紹介サービスに比べて営利目的が強くなく、客観的なアドバイスを得やすいのが特徴です。
また、海外展開に関するセミナーやイベントを開催しているため、現地の関係者と直接つながる機会を得られることもあります。
日本商工会議所|「商工会議所の支援 JETRO|「海外進出」」
展示会や業界イベント
展示会やイベントでは、短期間で複数の候補に直接会い、雰囲気や対応力をその場で確かめられます。 実際に顔を合わせて話すことで「信頼できそうかどうか」や「自社と相性が合いそうか」といった感覚も掴みやすくなります。 さらに、その場で他社と比較できるため、相手を冷静に評価しやすいのも大きなメリットです。
紹介や専門家のネットワーク
すでに取引実績のある企業や、専門家が自信を持って推薦する相手であれば、ゼロから探すよりもリスクが低くなります。
海外では情報の透明性が十分でないことも多いため「誰が紹介したのか」という背景そのものが信頼の裏付けになるのです。
また、現地の法律や商習慣に詳しい専門家のネットワークを活用することも有効です。
弁護士や会計士、コンサルタントといった立場の人たちは、複数の企業と関わる中で「信頼できる相手」を知っており、単なるコネクションではなく、専門的な目で選ばれた相手との出会いにつながります。
ありがちな失敗例から学ぶ

海外進出におけるパートナーの選び方では、多くの企業が同じような失敗を繰り返しています。 しかも、その多くは気をつけていれば防げたはずの基本的なミスです。
ここでは、具体的な失敗パターンを見ていきましょう。
安さだけで決めて後悔する
費用の安さだけを基準にパートナーを選ぶと、後で大きな代償を払うことになりかねません。
例えば、見積もりは安かったものの次々に追加費用が発生し、結果的に他社よりも高くついてしまうケース。
あるいは、安い理由が人員を削っていたからで、いざというときに対応してもらえず、事業そのものが停滞することも珍しくありません。
短期的なコスト削減は魅力的に見えますが、長期的に見れば「安かろう悪かろう」になってしまうリスクが高いのです。
調査不足で信頼できない相手と組む
表向きは華やかな実績をアピールしていても、裏では資金繰りが苦しく、まともに業務を遂行できていないこともあります。
また、現地での評判を調べていなかったために、取引後に「トラブルを抱えている会社だった」と知ることも少なくありません。
こうしたリスクは、事前に信用調査を行ったり、過去の取引先から評価を聞いたりすることで避けられるものです。
調査を怠ると表面上の情報だけで判断することになり、信頼できない相手に大切なビジネスを任せてしまう危険性が高まります。
契約内容を曖昧にしてトラブルになる
海外進出で特に注意すべきなのが、曖昧な契約内容で進めてしまうこと。
日本国内では「言った言わない」で済むことでも、海外だと法律や文化の違いから簡単には解決できません。
こうした問題は、最初の契約段階で詳細をきちんと書面化しておけば防げるものです。 小さな手間を惜しんで曖昧に進めず、相互間で納得する内容を書面に起こしましょう。
安心して進めるための工夫

海外進出のパートナー選びには、リスクが潜んでいます。 とはいえ、事前に工夫しておけば、その可能性を大きく下げられます。
重要なのは「勘に頼らないこと」です。 ここでは、安心して進めるために具体的にどんな工夫ができるのかを見ていきましょう。
信用調査や実績確認をする
相手が信頼できるかどうかを判断する最も確実な方法のひとつが、信用調査と実績確認です。
海外では表向きの情報と実態が異なることも多く、パンフレットやホームページだけでは本当の姿を見抜けません。
例えば、第三者の調査会社を通じて財務状況や取引履歴を確認すれば、相手の経営が健全かどうかを客観的に判断できます。
また、過去の取引先から評判を聞くことも有効です。
「この企業は支払いが遅れることが多い」や「契約後の対応が不十分だった」といった声は、契約前に知っておくべき重要な情報です。
信用調査や実績確認にかかる費用や時間は小さなものですが、それを怠った場合の損失は計り知れません。
最初の段階でリスクを洗い出しておくことこそが、安全な海外進出の第一歩となります。
複数候補を比較検討する
海外進出を急ぐあまり、パートナー選びを一発勝負に賭けてしまうのは危険です。 比較対象がなければ、その相手の条件や姿勢が本当に妥当なのか判断できないからです。
複数の候補を並べて検討すれば、相手ごとの強みや弱みが見えてきます。
サポート体制に差があるのか、費用の内訳が明確かどうか、文化理解の度合いはどうかなど、候補が複数あるからこそ冷静に見極められるのです。
また、複数の選択肢を持つこと自体が交渉力を高めます。 「他社と比較している」という前提があるだけで、相手はより良い条件を提示せざるを得なくなります。
つまり、比較検討はリスクを減らすだけでなく、メリットを最大化する手段でもあるのです。
専門家や外部サービスに相談する
海外進出は、経験や知識の不足がリスクにつながりかねません。 そこで有効なのが、専門家や外部のサービスに力を借りることです。
弁護士や会計士、海外ビジネスに精通したコンサルタントは、契約や税務、商習慣の違いなどを踏まえて、冷静かつ実務的なアドバイスを提供してくれます。
また、海外進出支援サービスやクラウド型の出張・手配システムを利用すれば、複雑な手続きを代行してもらえるため、安心感が大きく高まります。
外部の知見を取り入れることで「見えていなかったリスク」を発見できるのは大きなメリットです。
自社だけで抱え込まず、専門家やサービスを戦略的に活用することが、成功への近道となります。
まとめ

海外進出は、どんな企業にとっても大きな挑戦です。 そして、その成否を分けるのが「パートナー選び」です。
安易に決めれば失敗のリスクは計り知れず、慎重に見極めれば成功への道が開けます。 重要なのは、自社が苦手な部分を確実に補ってくれるパートナーを見つけていくことです。
一方で、パートナー選びに時間と労力をかけるには、周辺の業務を効率化する工夫も欠かせません。
そこで近年注目されているのが、航空券やホテルはもちろん、通訳やガイドの手配も含めて旅行代理店に一括で相談し、出張全体を包括的にサポートする BTM(Business
Travel Management) という考え方です。
このBTMサービスを導入する企業は年々増えており、あらかじめ契約している旅行代理店があれば、出張の計画から手配、精算、実績管理に至るまで、一連の業務を一元的に管理することが可能になります。
IACEトラベルは、その一例です。 出張や渡航に必要な手配──航空券、ホテル、査証の確認、24時間のアシスタントサービスなどを一元管理できる「Smart
BTM」を提供し、企業が本来注力すべき「海外進出そのもの」に集中できる環境を整えます。
海外進出を本気で成功させたいと考えるなら、まずはパートナーを慎重に選ぶこと。 そして、そのための時間を生み出す手段として、渡航準備はIACEトラベルにお任せください。
あわせて読みたいコラム
Smart BTMの特徴
- 初期費用と使用料が「無料」
- 出張者が個々に予約、費用は後払い一括請求
- 手配先の統一と出張データ(費用)の管理
- 24時間365日出張者をサポート
- チャット機能でメッセージの送受信